はじめに
[管理者設定]オプションまたはAnalyzerで以下の言語やファイル形式を使用して、カスタムのチャートをDomoインスタンスに追加することができます。
- SVG(スケーラブルベクターグラフィックス):これは、2次元ベースのベクターグラフィックス記述するためのXMLベースのマークアップ言語です。
- KML(キーホールマークアップ言語):これは、Google Earthなどのアースブラウザーで地理データを表示するためのマークアップ言語です。
- GeoJSON:これは、単純な地理的特徴と非空間属性を表現するためのオープン規格のファイル形式です。
- TopoJSON:これは、GeoJSONを拡張したファイル形式で、地理空間トポロジーをエンコードすることができます。通常は、ファイルサイズが小さくなります。
- Shape:これは、ESRIの標準ファイル形式です。地理空間ベクトルデータが含まれています(Google EarthをインポートしてKMLとしてエクスポートします)。
チャートを追加しておくと、追加したチャートをユーザーがAnalyzerのチャートピッカーの [カスタムチャート] で選択できます。これを使うと、Domoでデフォルトでは用意されていないが、お客様のビジネスに関連するような可視化データを作成できます。チャートの複雑さに応じて、SVGをそのまま使えることもあれば、かなり変更が必要になることもあります。多くの場合、大規模な変更には実践的なXMLの知識が必要になります。
カスタム地域ツールを使用して、下位地域まで含んだ新しいカスタム地域の列を持つDataSetをアップロードすることもできます。これは独自のSVGファイルを構築するほど堅牢ではありませんが、XMLの知識は必要ありません。詳細は、「地域区分のあるマップを作成する」を参照してください。
簡単な例を挙げましょう。香港の人形工場のエグゼクティブであるユーザーであるJJが、香港全区の新しい人形シリーズの売上を示すカードを作成しようと考えているとします。事前インストールでDomoに用意されているマップ一式では、このようなカードを作成できません。ところが、Domoのカスタムチャート機能を使うと、オンラインで香港のSVGマップをダウンロードし、[管理者設定] またはAnalyzerを使ってマップをDomoに追加するだけで、JJは必要なカードを作成できます。この結果、カード作成権限を持つユーザー全員が、JJと同じようにこのマップを使えるようになります。売上データの入ったDataSetをアップロードしてからAnalyzerを開き、マップタイプ [香港] を選択し、DataSetの列を差し込むことで、JJは他のマップのカードを作成するときと同じ要領でカードを作成します。この手順で以下のマップができあがります。
もう少し複雑な例を挙げましょう。ユーザーRodrigoは米国内で多数のタイムシェア物件を管理しているとします。これらの物件は、5つの別々の地域(西部、南西部、中西部、南東部、北東部)に分散されています。Rodrigoは、各地域の収益を一目で把握できるようにしたいと考えています。前の例と同じように、Domoには、米国内の地域のマップは事前インストールされていません(事前インストールされている場合も、Rodrigoの会社の地域グループとは若干異なる方法で州がグループ化されている可能性があります)。このケースでは、地域のグループ化をカスタマイズする必要があるため、Rodrigoは、米国のSVGマップにグループ化を組み込むようにカスタマイズすることが必要です。Rodrigoには幸いXMLの基礎知識があるため、マップを適宜分割するために必要なグループ化タグを比較的簡単に追加できます。
比較的簡単な例を2つ挙げて、Domoユーザーがカスタムチャートを実装する方法を紹介します。より複雑な例としては、地理的なマップ以外のマップなどがあります。たとえば、大学のキャンパスや
飛行機の座席表などです。
特殊な例としては、車のバンパーなどの組立説明図などがあります。
カスタムチャートを使用すれば、さまざまなアイデアを形にすることができます。以上の3例と同等のチャートは非常に複雑で、作成するには高度なXMLの知識が必要です。現時点ではサポートされていないXMLタグがあることにも注意してください。該当するタグのリストは、この記事の後半に掲載します。
ビデオ - カスタムのマップとチャート
概要的な手順
カスタムチャートをDomo に追加し、カードを作成する一般的プロセスは次のとおりです。
SVGチャートを取得する
ほとんどのケースでは、a)インターネットからSVGチャートをダウンロードするか、b)自作するかのどちらかの方法で、Domoで使うSVGチャートを取得できます。
Domoで未対応の国のマップをインストールするには、http://www.amcharts.com/svg-maps/ や https://simplemaps.com/resources/svg-maps などからダウンロードできます。こうしたウェブサイトはたくさんあります。これらのサイトは、仏領ギアナやアルバなど、海外の領地も掲載しています。このようなマップをダウンロードしたら、そのマップをそのままDomoにアップロードできます。XMLを編集する必要はありません(マップ内を分割しない場合)。
SVGチャートを自作する場合は、Adobe IllustratorやInkscapeなどのベクター描画ツールを使うことができます。こうしたツールは多数あります。こうしたアプリケーションまたはその他のアプリケーションの詳細については、それぞれのドキュメントを参照してください。
チャートに合わせてXMLを編集する
SVGが複雑な地域マップでカスタマイズを必要とする場合、XMLを編集して必要な変更を加える必要があります。目的とするカスタマイズの内容とチャートの複雑さに応じ、この編集は最小限で済むこともあれば、膨大となることもあります。DomoにSVGチャートをアップロードしようとしてエラーが発生することもありますが、通常、その原因はXML内でサポート対象外のタグを使っていることにあります。そのようなケースでは、問題となるタグを削除するか、サポート対象のタグで代替する必要があります。
このセクションでは、DomoのSVG変換プログラムがサポートするタグと現時点ではサポートしていないタグを紹介します。
サポート対象のXMLタグ
サポート対象の図形タグ
以下の図形タグがサポート対象です。
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パス(円弧の回転を除くすべてのコマンドがサポート対象)
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長方形
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円
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楕円
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折れ線
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ポリライン
-
多角形
このうち折れ線とポリラインを除くすべてのデータを組み込むことができます。
サポート対象のスタイルタグ
以下のスタイルタグは、スタイル属性内またはSVGにエンベッドしたCSSにおけるタグとともに、サポートされています(これらのタグはデータ組み込み不可)。
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塗りつぶし
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ストローク
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ストローク幅
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塗りつぶしの不透明度
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ストロークの不透明度
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不透明度
サポート対象の変換
制限付きでDomoがサポートする変換:
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matrix()
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translate()
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scale()
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rotate()
テキストタグ
テキストタグは制限付きでサポートしています。フォントは設定できませんが、指定された文字色と文字サイズについては、Domoが極力再現します。
rotate()はテキストタグでサポートしています。matrix()変換を使うと、テキストタグを回転できます。
サポート対象外のXMLタグ
DomoのSVG変換プログラムで現在サポート対象外:
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グラデーションペイント
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パターン
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フィルター
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その他の複雑な塗りつぶし
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エンベッドされた画像
SVGファイルの構造について
次のXMLコードは、コロンビアの国内マップに相当するSVGファイルから取得したものです。このコードはファイルの基本フォーマットを示しています。余分な要素を削除してシンプルに記載してあり、ほとんどのパスデータ要素は縮約表示(楕円表示)になっています。このファイルで使われているタグはすべてDomoのサポート対象です。
パスタグには常にdサブタグを組み込みます。これで特定地域のパスデータ要素を示しつつ、他のサブタグで地域の一意のIDまたは名前を1つまたは複数指定します。上の例では、各地域パスにIDサブタグと名前サブタグを組み込みます。これらのタグはDataSetの [地域] 列にも対応しているので、重要です。Analyzerでマップを作成する場合は、マップのプレビューの上にある [州名] フィールドに地域列をドラッグします。(列の適用の詳細については「DataSetの列をチャートに適用する」を参照)。この例では、以上で参照した列(地域のIDまたは名前の付いた列)を少なくとも一つDataSetに組み込んで、SVGマップと一致させます。
DataSetで使う可能性のある名前をほかにも検討する必要がある場合、適宜、他のサブタグも追加します。たとえば、ほとんどの国のマップのDataSetでは、ISO 3166地域コードが組み込んであります。そのため上の「コロンビア」の例では、XMLが3つ目のサブタグと各地域のコードを含む場合があります。このタグはシンプルに「コード」と呼びます。[name="Amazonas"] タグの下に「code="01"」(アマゾナス州のISO 3166コードが「01」であるため)などを追加し、他地域についても同じ要領で記述を続けます。
次の例は、先ほどのコード例に対応する列を備えたシンプルなDataSetです(先ほど説明されたとおり [ISO 3166] 列を追加)。
マップ内の地域を結合して大きい地域を設定する場合は、SVGファイルに組み込んだ
次のコード例は、グループ化を組み込んだSVGファイルの一部を示しています。このコードは米国を多種多数のグループに分割したマップに使います。スクリーンショットは、これらのグループのうち「西部」と「南西部」の2つを示しています。
すべてのコードサンプルにアクセスして米国地域マップを作成するには、こちら(usa_regions.svg)を参照してください。各州に対応する
Domoにカスタムチャートを追加する
Domoインスタンスに追加するチャートを取得し、対応するXMLを適宜編集したら、次はそれをDomoにアップロードしていきます。この操作は、以下のいずれかの場所で実行できます。
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[管理者設定]、[カンパニー設定]、[カスタムチャート] の順に選択する。[カンパニー設定]にアクセスするには、デフォルトの「管理者」セキュリティロールが設定されているか、[すべてのカンパニー設定を管理]オプションが有効になっているカスタムロールが設定されている必要があります。
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Analyzerのチャートピッカーで [カスタムチャート] を選択し、ペイン下部の [+] ボタンをクリックする。このボタンが表示されるのは、「管理者」セキュリティロールが設定されているユーザーと、[すべてのカードとページを管理]オプションが有効になっているカスタムロールが設定されているユーザーの場合だけです。
デフォルトのセキュリティプロフィールの詳細については「デフォルトのセキュリティロールリファレンス」を参照してください。カスタムロールの詳細については「カスタムロールを管理する」を参照してください。
[管理者設定] でカスタムチャートをDomoに追加するには
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[その他]>[管理者設定]>[カンパニー設定]>[カスタムチャート]に移動します。
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[チャートを追加する] をクリックします。
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以下のいずれかを実行します。
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[ここにファイルをドロップ]フィールドにファイルをドロップします。
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[ファイルを選択]をクリックし、目的のファイルを選択します。
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(任意)ファイルの名前を変更し、必要であれば説明を入力します。
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[保存] をクリックします。
AnalyzerでカスタムチャートをDomoに追加するには
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カード用にAnalyzerを開きます。
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チャートピッカーで [カスタムチャート] を選択します。
-
[カスタムチャート] ペイン下部の [+] ボタンをクリックします。
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次のいずれかを行います。
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[ここにファイルをドロップ]フィールドにファイルをドロップします。
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[ファイルを選択]をクリックし、目的のファイルを選択します。
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-
(任意)ファイルの名前を変更し、必要であれば説明を入力します。
-
[保存] をクリックします。
これでこのチャートをAnalyzerのチャートピッカーの [カスタムカード]ドロップダウンメニューで選択できるようになります。このチャートをDomoから削除するには、[管理者設定]、[カンパニー設定]、[カスタムチャート] の順に移動し、このチャートを選択して、右上隅にレンチマークで表示されているメニューの [削除] を選択します。同様に、チャートで使用するSVGファイルに切り替える場合は、同じメニューで[ファイルを変更]を選択します。
Analyzerでチャートを作成する
チャートをDomoにアップロードしておくと、国別マップの場合とまったく同じようにAnalyzerでチャートからカードを作成できます。国別マップの詳細については、「国別マップ」を参照してください。この手順は、地理的マップもそうでないマップも含め、Domoにアップロードしたすべてのカスタムチャートで使います。
カスタムチャートの [チャートの設定] は、ほとんどの地理的マップで使う設定と同じ内容です。これらのプロパティのリストについては、「マップのプロパティ」を参照してください。
カスタムチャートにドリルパスを追加する
カスタムチャートにドリスパスを追加すると、特定のチャートから別のチャートにドリルダウンできるようになります。どのチャートでも、同じ方法でドリルパスを追加します。ドリルパスを機能させるには、ドリルダウン元のカスタムチャートの名前を、ドリルダウン先の最上位チャートのグループ名に一致させる必要があります。例えば、アメリカの地域別カスタムマップから別のカスタムチャートの「西部地域」にドリルダウンする場合は、ドリルダウン元のカスタムマップを「西部地域」という名前で新しく作成する必要があります。
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